リーグ戦5連敗で厳しい戦いが続くヴィッセル神戸。追い打ちをかけるように、このところ負傷者が続出しています。
とくに多いのがSB(サイドバック)にポジションです。本職の選手が軒並み離脱し、まさに緊急事態と言えます。
ヴィッセルSBの負傷状況│次節は本職が起用できず
5月6日現在、ヴィッセルのSBでコンディションに不安を抱えているのは次のメンバーです。
- 初瀬 → 左第3腰椎横突起骨折及び左背部肋間筋筋挫傷 (全治4週間:4/29発表)
- 藤谷 → 左外側ハムストリング肉離れ (全治8~10週間:4/23発表)
- 橋本 → 5/4札幌戦で脳震盪により途中交代
現状で本職SBでプレーできるのは西大吾のみ。その西も、次節の鹿島アントラーズ戦は累積警告により出場停止となるため、ヴィッセルは本職SBが1人も起用できない緊急事態に陥っています。
SBで起用できる選手は?
では、本職以外にSBのポジションで起用できる選手はいないのでしょうか?
一定水準は三原のみ。他は起用にリスクが伴う
- 三原 → 本職はボランチ。両SBでスタメン起用あり
- 大崎 → 本職はCB。橋本との交代でLSBに起用されるも、不安が残る
- 那須 → 本職はCB、ボランチ。守備のマルチロールだが、スピードに不安
- 小林 → 本職はCB。左利きを生かしてLSBでの起用もあるが…
- 小川 → 攻撃的なサイドプレイヤー。過去にRSBでの起用経験あり
こうしてみると、次節のリーグ戦にSBとして起用できるのは三原だけ。それ以外のメンバーはCBのプレイヤーで、スタメン起用には大きなリスクを伴います。また、小川がRSBでの起用経験がありますが、本来は攻撃的な選手だけにこちらもリスクが高いでしょう。
これはかなり厳しい状況と言えます…。
4バックなら三原+○○の組み合わせに
仮に4バックを敷くとなると、三原のペアに誰を起用するのかが焦点となります。コンサドーレ戦で試した大崎のLSBもあり得ますが、かなり不慣れなプレーぶりが印象に残りました。
個人的には、小川をRSBで起用し、三原をLSBに置くのがベターだと考えています。ヴィッセルのサイドバックには高い運動量が求められるだけに、守備のリスクは理解しつつ、小川の献身性に賭けてみてはどうでしょうか?
3バックの採用も検討が必要?
こうなると、現実的な策として3バックの採用も検討が必要でしょう。今シーズンは一貫して4バックを採用していますが、CBのプレイヤーは頭数が揃っているだけに、思い切ってシステムを変更するのも一案です。
宮、大崎、ダンクレーの3人が候補に挙がりますが、ベテランの渡部や那須を中央に据え、経験を生かすのもアイデアとしては考えられます。
大穴は三原のリベロ起用
かなり突飛なアイデアになりますが、3バックの中央に三原を起用する策も面白いかもしれません。一定水準のスピードでカバーリングを担ってもらうのはもちろん、ビルドアップに絡むような形も期待できます。
あるいは、横浜FCが松井大輔をリベロで起用したイメージで、サンペールや安井を置いてみるというウルトラCも…。
ピンチから思わぬヒントを得られるのがフットボール
さて、記事終盤のアイデアはかなり突飛なものとなりましたが、負傷者続出によるスクランブル起用が、思いがけないヒントを与える、という例は、世界のフットボールでも多く見られます。
ザックの3バックや、スパレッティのゼロトップなどは良い例です。
5連敗と泥沼にはまっているヴィッセル。連敗中は大きな変化を嫌うものですが、今回の負傷者続出は変化を起こすきっかけともなり得ます。流れを大きく変えるタイミングと捉え、ポジティブなアプローチを採用するのも面白いのではないでしょうか。