2019ヴィッセル、夏の移籍をまとめてみた(確定版)

2019ヴィッセル、夏の移籍をまとめてみた(確定版)

7月19日からオープンになっている、Jリーグの夏の移籍

ここ数年はビッグネームの加入など何かと話題が多いヴィッセルですが、今年も出入りの激しい移籍期間となっています。

今回はこの夏の移籍状況についてまとめてみました!

夏のIN/OUT一覧

まずはこの夏の移籍動向をIN(新加入)とOUT(移籍)でまとめてみましょう。

IN(新加入選手)

加入 ヴィッセル

最大のサプライズは、ベルギー代表のDFフェルマーレンの加入でしょう。

前所属はバルセロナですが、個人的にはアーセナル時代が強く印象に残っています。これでヴィッセルは、ポドルスキ、イニエスタ、ビジャと続く4人目のワールドクラスの獲得。その是非は置いておくとして、Jリーグへの評価が確実に高まっている証拠と言えるでしょう。

国内からの移籍では、トリニータの藤本の加入は驚きでした。得点感覚に優れ、ワンタッチで試合を決められる能力はビジャを彷彿とさせます。また、懸案だったGKにはマリノスから飯倉を獲得。キム・スンギュの移籍の穴を補って余りあるタレントです。

フェルマーレン加入でやや影に隠れたしまいましたが、ジョアン・オマリは昨シーズンにサガン鳥栖で能力の高さを証明済み。左利きに加え、複数のポジションでプレーできるユーティリティー性にも期待です。

また、パルメイラスへ武者修行に出ていた佐々木が契約満了に伴いレンタルバック。前線でアクセントとなれる期待の若手が帰ってきました。

8月14日にはかねてから獲得が噂されていた酒井高徳が完全移籍で加入。守備が不安視されていた左SBに頼もしい新戦力が加入しました!

OUT(移籍)

夏の移籍 OUT

好タレントが多く加入した一方で、主力級の移籍が目立つのもこの夏の特徴です。

まずは中盤で攻守に高い貢献度をほこっていた三田がFC東京へ移籍。

同じく韓国代表の正GKとしてビッグセーブをたびたび見せてくれたキム・スンギュも母国へ旅立ちました。複数のポジションで柔軟にプレーできる三原は柏レイソルへ

また、左利きのCBとして期待が集める宮と小林は、それぞれ水戸と町田へレンタル移籍となります。



新加入選手獲得の理由は?

ここからは、新加入&移籍となった10名の選手、個々人に注目してみたいと思います。

新加入選手を獲得した狙いは?移籍で旅立った選手の想いは?

選手のコメントやチーム状況を参考に考察していきます!まずは新たにチームに加わった新加入組から見ていきましょう。

IN:藤本 憲明 → 得点を奪えるストライカーの獲得

大分トリニータから加入した藤本ですが、本人が「眠れないほど悩んだ」と語るように、簡単な決断ではなかったようです。

今季のトリニータはJ2昇格組ながら、リーグでは上位をキープ。現状ではヴィッセルより好成績を収めるなど、所属クラブに留まる選択肢も十分考えられたでしょう。

しかし一方で、29歳という年齢やワールドクラスのメンバーとプレーできる環境は魅力的です。プレイヤーとして高いレベルに身を置きたいという想いがあったことは、想像に難しくありません。

ヴィッセルの狙いは、得点を奪える「日本人」ストライカーを獲得すること。ビジャとウェリントンが好調を維持するものの、日本人に本職のFWが少なく、外国籍枠との兼ね合いが不安材料でした。また、ビジャの年齢を考えると、暑さから疲労が溜まるこれからの戦いの中で、不測の事態が起こる可能性も高まります。

藤本は非凡な得点能力はもちろん、スピードを生かした裏への抜け出しも武器としています。戦術の幅を広げる意味でも、大きなプラスをもたらしてくれるでしょう。

IN:飯倉 大樹 → スタメンを任せられる日本人GK

マリノスから加入した飯倉は、今シーズンこそ怪我の影響もありスタメンを外れていましたが、ここ数年は絶対的な守護神としてプレーしてきました。

ベテランらしい安定したセービングはもちろん、巧みな足元の技術はヴィッセルとの相性の良さを感じさせます

今季のヴィッセルは開幕時こそキム・スンギュがスタメンでしたが、外国籍枠の問題やパフォーマンスにムラがあることで正GKが定まりませんでした

毎試合のようにGKが変われば、守備の安定は望めません。好調な前線の外国籍選手たちを起用する上でも、日本人のGK獲得は急務でした。

飯倉はガンバ戦でさっそくスタメンデビュー。2失点こそ奪われましたが、随所で好プレーを見せるなどさっそく期待が高まっています。

IN:フェルマーレン → バルサスタイルを加速させる守備のタレント

フェルマーレンの名前が国内紙で取り上げられるようになったのは、ヴィッセルとバルセロナの親善試合の直前から

すでにバルサとの契約が満了していたフェルマーレンですが、ツアーと同じタイミングで来日。試合前日にはクラブハウスを訪れるなど、加入は既定路線で進行しました。

フェルマーレンと言えば、左足のキック精度とビルドアップ能力、対人守備の強さを兼ね備えた現代型のCBです。やや怪我が多い点は気掛かりですが、コンディションさえ整えば能力の高さに疑いの余地はありません

ヴィッセルはダンクレ―の相棒となる左CBが固定できず、守備の安定を欠いていました。フェルマーレンがこのポジションに落ち着けば、大きな戦力となってくれます。バルサに在籍し、そのスタイルを肌で知るという意味でも、彼の加入は心強い限りです。

また、クラブのブランド力を高める意味で、「守備のポジションにも元バルサを」という力が働いたことも、背景の1つでしょう。

IN:オマリ → 守備の安定をもたらす左利きCB

ジョアン・オマリは、昨シーズンの後半にサガン鳥栖でプレーした左利きのディフェンダー

フェルマーレンの項でも述べたように、ダンクレーの相棒となる左CBの獲得は大きな補強ポイントでした。その点オマリは補強ポイントにぴったりのタレントで、Jリーグでのプレー経験がある点もプラス材料と言えます。サガンでは11試合に出場し、クラブの残留にしっかり貢献。

CBがメインですが、左SBとしてもプレーできることから、守備に不安を持つ初瀬の代わりにプレーする可能性もあります。懸念材料は、やかり外国籍枠でしょう。とくに、左効きのCBという同タイプのフェルマーレンが加入したことで、やり繰りの難しさが出てきます。

この辺りに上手く折り合いを付けられれば、守備強度は一気に高まるでしょう。

IN:佐々木 大樹 → 契約満了による復帰

佐々木のレンタルバックは、純粋に契約満了によるもの

パルメイラスでは出場機会を勝ち得ることができず苦渋をなめましたが、その経験は確かな成長値として蓄積されているはずです。

もともと、思い切りの良い仕掛けやテクニックは攻撃にアクセントを加えられるとして高く評価されていましたが、ブラジルでの武者修行によりフィジカルやメンタルでの逞しさが加わればさらにスケールが大きくなります。今後の活躍に期待です。

IN:酒井 高徳 → 不安視されていた左SBの救世主(8月14追記)

ドイツのハンブルガーSVから完全移籍で加入した酒井高徳。

昨年から獲得の噂が流れていましたが、今回ついにヴィッセルへの加入が実現しました。元日本代表にして、ドイツで8年間コンスタントに出場機会を得るなど、その能力の高さは実証済み

ヴィッセルは左SBの初瀬が守備面で課題を抱えており、チームの強化ポイントの1つとなっていました。酒井はこのポジションでは願ってもない人材で、右SBに加えてボランチでもプレーできるなど戦術の幅を大きく広げてくれます

ドイツ語も堪能とあって、フィンク監督とのコミュニケーションや、外国籍選手と日本人選手の橋渡し役も期待されます。

他クラブへの移籍の理由は?

続いて、他クラブに移籍した選手について考察していきます。

OUT:三田 啓貴 → 古巣クラブからのラブコールに応える

今シーズンの三田は、チーム状況に合わせてさまざまなポジションをプレーするなど、やや可哀想な使い方をされていました。

それでもピッチに立てば豊富な運動量と左足のキックでスタジアムを沸かせるなど、チームに欠かせないプレイヤーの1人と言えます。

そんな三田が移籍先に選んだのは、ユース年代からプロ加入当初を過ごした古巣のFC東京。FC東京は久保がレアルに移籍し、前線のタレント獲得が急務でした。

安定した出場機会と、古巣からのラブコールが届けば、プレイヤーとして応えないわけにはいきません。

ヴィッセルとしては大きな戦力ダウンですが、三田の新天地での活躍を願っています。

OUT:三原 雅俊 → 出場機会と恩師の元でのプレー

柏レイソルへレンタル移籍した三原。

レイソルの監督は恩師ネルシーニョとあって、かつて自分が多くの出場機会を得ていた指揮官の元でプレーする決断を下しました。

三原はボランチはもちろん右SBとしもプレー可能と、ヴィッセルには少ない守備のマルチタレント。チームには置いておきたい選手ですが、プレーヤーとして控えに甘んじるつもりはないでしょう

来季、レイソルがJ1に昇格すれば、そのまま完全移籍する可能性もゼロとは言えず、いささか寂しさの募る移籍です。

OUT:キム・スンギュ → 正GKの確約と母国への復帰

実はキム・スンギュが最初に移籍を口にしたのは、シーズンの開幕前

これは韓国メディアへのインタビューで本人が発言したもので、外国籍枠による正GKのはく奪は、やはりモチベーションを保つのが難しかったようです。

一度は残留を決意したものの、開幕後サンペールが加入すると前川や吉丸が起用されるなど、不安定な立場に置かれていました。そのせいか、本人のプレーも安定感を欠いており、悪循環に陥っていました。

スンギュとしては、母国でしっかりとプレー機会を得て、韓国代表の正GKも確固たるものにしたいはず。ヴィッセルとしても、外国籍枠でチーム内に不平等な競争が起きることは避けたかったはずで、実力者を手放す結果となってしまいました。この辺りのマネージメントについては、早急に改善を進めてほしいものです。

OUT:宮 大樹 → スタメンを奪い切れなかったが水戸昇格への即戦力として移籍

シーズン途中からスタメンとして起用されていた宮ですが、恵まれた身体能力や積極的な守備は披露したものの、その地位を確固たるものにはできませんでした

厳しい言い方ですが、プレーで信頼を掴め切れなかったということ。

結果としてオマリ、フェルマーレンと同じ左利きのCBの加入によりポジションを失ってしまった格好です。

一方で、移籍先の水戸は今シーズン初のJ1昇格へ向けて好位置をキープ。夏の補強でも積極的に打って出るなど、宮も即戦力として獲得されました。本人にとっては大きなチャンス。

左利きCBは希少価値も高く、宮に対してクラブの期待値も相当高いものがあります。

本人も成長して戻ってくるとコメントするなど、ぜひ水戸を昇格させる原動力として活躍を期待したいものです。

OUT:小林 友希 → 出場機会を得ることでさらなる成長を期待

町田ゼルビアにレンタル移籍となった小林友希。

リーグでの出場もなく、まだまだ非凡な才能をするには至っていません。しかし世代別代表では常連で、識者からの期待値も高いプレイヤーの1人です。

今回の移籍は、出場機会を得ることで、さらなる成長を期待してのもの。チームは実力のある外国籍選手が多く、プレー機会が限られますが、ゼルビアでは1試合でも多い試合経験を得て、一回りも二回りも成長して戻ってきて欲しいところです。

移籍ウインドーは8月16日まで

今回は8月7日現在までに分かっている、夏の移籍情報をまとめてみました。

2019年の移籍ウインドーは8月16日まで。ここまで補強ポイントはしっかり押さえているヴィッセルですが、まだまだ動きがあってもおかしくはないでしょう。

外国籍選手の加入はさすがにないでしょうが、国内選手の獲得は十分考えられます。

新たな移籍の動きがあれば、本記事を更新したと思いますので、Twitter等でご連絡しますね!