こんにちはフットボールベアーです!
ビッグネームの獲得で国内外から注目を集めるヴィッセル神戸ですが、今回取り上げるのは「VIP(ビジャ・イニエスタ・ポドルスキ)」トリオの一角、ルーカス・ポドルスキです。
ヴィッセル加入当初から随所でワールドクラスの輝きは見せてくれるものの、本領を発揮できているとは言えなかったポドルスキ。しかし2019年は頼もしいチームメイトを得て、いよいよ本来の力を見せ始めています。
ポドルスキが輝きを増している秘密はどこにあるのか?イニエスタ、ビジャの加入がもたらしたプレースタイルの変化を考察してみます。
ポルディのプレースタイルと対応策
「ポルディ」の相性でお馴染みの、元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキ。強烈な左足のキックはまさにワールドクラスの域ですが、ヴィッセル神戸に加入後2年間で公式戦12ゴール(Jリーグ10点、ルヴァン杯2点)と、本来の実力からするとやや物足りない数字です。
(2018年 ヴィッセル神戸vs名古屋グランパス)
ポドルスキは、右サイドでボールを受け、ドリブルで中央に切り込みながら左足でシュートを狙う形を得意としています。
Jリーグ加入当初はこのプレースタイルを軸に、ロングレンジからの強烈なシュートが大きな武器となっていましたが、徐々に対戦相手の「ポドルスキ対策」が効果を発揮。ポドルスキは相手を一瞬で振り切るスピードを持ち合わせていません。対応するディフェンスは、不用意にシュートコースを作らせなければ、しっかりと守りきることができます。
勝負所での決定力や、闘志を押し出して味方を鼓舞する姿はさすがですが、やはりゴールの数は物足りなさを感じてしまいますね。
ポドルスキに重ねる大久保嘉人の姿
ポドルスキのプレーを見ていると、ヴィッセル神戸のエースとして活躍した大久保嘉人の姿を重ねてしまいます。
大久保はストライカーとしてのイメージが強いですが、ヴィッセル在籍時は複数のタスクを1人で担っていました。プレイメーカーや守備の局面で奔走する姿は見ていてとても窮屈な印象。
昨年までのポドルスキも、状況は大久保と同じ。自らのカットインで得点が奪えないと分かれば、中盤に下がってボールの配給役としてプレー。しかしこれでは彼の最大の持ち味である決定力を生かすことができません。その上、昨年のヴィッセルにポドルスキ以外のストライカーが不在でした。
どうにも噛みあわない歯車に、ポドルスキもストレスを抱えていたはずです。
イニエスタとビジャの加入で生まれる2つのプレースタイル
ところが今季のポドルスキは、彼本来の持ち味を取り戻しているように映ります。やはり大きいのは、イニエスタとビジャの加入でしょう。両選手の加入により、今季のポドルスキは2つのプレースタイルを手に入れました。
1.裏のスペースを使う動き
2018年夏にバルセロナから加入したイニエスタ。卓越したキープ力と抜群のパスセンスを兼ね備える彼の加入で、ポドルスキのプレースタイルに変化が生まれました。
イニエスタがボールをキープすることで、相手守備陣の意識がポドルスキから離れます。その一瞬の隙を見逃さず、ポドルスキは守備陣の裏のスペース飛び込みます。この裏への飛び出しは、ヴィッセル神戸加入後ではあまり見られない動きでした。
(2018年 ヴィッセル神戸vs名古屋グランパス)
象徴的なのが2018年のJ1第31節、名古屋戦での得点シーン。イニエスタがボールをキープすると、一気にアクセルを踏み込んで裏のスペースを走り込むポドルスキ。そこへイニエスタが芸術的な浮き球のパスを送ると、ポドルスキはボレーで合わせて得点を奪いました。まさにワールドクラスのシーンが生まれた瞬間です。
2.ビジャが生み出したスペースを使う
さらに、今季は元スペイン代表のエースストライカー、ビジャが加入。
ビジャは開幕戦こそ左のウイングで起用されましたが、2節以降はワントップで先発しています。ビジャは90分間絶えずディフェンスラインとの駆け引きをするプレイヤーですが、この動きがポドルスキのお得意のカットインへのシュートコースを生み出してくれます。
ビジャの動きに釣られディフェンスラインが下がれば、バイタルエリアにスペースが生まれポドルスキのプレースペースも生まれる訳です。
ポドルスキのゴール量産は間近
・イニエスタの加入による裏への飛び出し
・ビジャの加入によるプレースペースの拡大
この2つが、今季のポドルスキの躍動に繋がっていることは間違いないでしょう。さらにビジャという一流の受け手が生まれたことで、自らアシストするプレーの数も増加しています。
いよいよポドルスキの本領発揮に向けて、環境は整ったと言えるのではないでしょうか。2019年のポドルスキのゴール量産に期待です!
