こんにちは、フットボールベアーです!
今回のテーマはJリーグとポゼッションサッカーです。ここ数シーズンJリーグではポゼッションを主体とした攻撃的な戦い方を目指すクラブが増えています。
そこで今回は、Jリーグでのポゼッションサッカーブームを考察する糸口として、ポゼッションスタイルを導入するクラブをカテゴリー分けしてみました。気軽に楽しんでくださいね!
2019年J1クラブの戦術的傾向は?
さて、まずは2019年にJ1に所属するクラブの戦術傾向をまとめてみましょう。
今季のJ1ではポゼッションを主体としたサッカーを志向しているクラブが11クラブあり、リーグの半数以上のクラブが自分たちでボールを握る攻撃的な戦術を志向していることが分かります。
一方カウンターを主体とした戦術を採用しているのは、5クラブ。ポゼッションとカウンターを使い分けているのが2クラブという結果となっています。
ポゼッション型クラブをカテゴリー分け
ではポゼッションスタイルを目指すクラブをより詳細にカテゴリー分けしてみましょう。今回は、5つのカテゴリーに分類してみました。
【クラブ主導型】
- ヴィッセル神戸
- 横浜Fマリノス
まず、クラブが旗振りをしてポゼッションスタイルを導入した「クラブ主導型」にカテゴライズされるのが、ヴィッセル神戸と横浜Fマリノスです。
ヴィッセルはクラブが「バルサスタイルを目指す」と宣言し、それに合わせた監督や選手補強を続けています。グアルディオラが師と仰ぐリージョを指揮官に迎え、イニエスタ、ビジャ、サンペールとバルサイズムを体現する選手を次々獲得しています。
マリノスもヴィッセルほど極端ではありませんが、源流はグアルディオラが率いるマンチェスター・シティー(マリノスはシティーフットボールグループの傘下)にあり、監督の選考や選手の獲得はクラブの意向が大きく反映されています。
【スペイン人監督型】
- セレッソ大阪
- サガン鳥栖
スペイン人監督が率いることで、ポゼッションスタイルを採用している「スペイン人監督型」がセレッソ大阪とサガン鳥栖です。セレッソは昨季までJ2で東京ヴェルディを指揮したロティーナが就任し、ユン・ジョンファン前監督のカウンター型からの転換を図っています。
一方のサガン鳥栖には、今季からカラーレス監督が就任。昨季加入したトーレスと今季加入したクエンカもスペイン国籍と、徐々にスペイン色を強めています。サガン鳥栖もクラブ主導型と言えなくもないですが、まだ転換期の途中とあって今回はスペイン人監督型にカテゴライズしました。
【風間八宏型】
- 名古屋グランパス
- 川崎フロンターレ
風間八宏監督の攻撃志向が色濃く反映されたのが、名古屋グランパスと川崎フロンターレです。現在風間監督が率いるグランパスが影響を受けるのはもちろんですが、前監督して率いた川崎フロンターレも、鬼木監督によって風間イズムが継承されています。
川崎フロンターレはポゼッションブームがJリーグに訪れる以前から、クラブが主体となって攻撃的な戦い方を目指していました。その傾向がもっとも強くなったのが風間監督就任以降なので、あえて風間八宏型にカテゴライズしてみました。
【ペトロヴィッチ型】
- コンサドーレ札幌
- サンフレッチェ広島
- 大分トリニータ
“ミシャ”ペドロヴィッチ監督が率いたクラブは「ペトロヴィッチ型」と言えます。
世界的に見ても独自色の強い可変システムを採用した攻撃サッカーは、多くの選手やコーチに影響を与えました。現日本代表の森保監督をはじめ、大分トリニータを率いる片野坂監督もその一人。
城福監督が率いるサンフレッチェも、守備の重きを置きながらボールを握る展開に今シーズンはトライしています。
ペトロヴィッチ型から大きく舵を切った浦和レッズですが、いまだに選手たちのスタイルにはミシャイズムが見受けられます。それほどペトロヴィッチ監督の影響力は大きいということでしょう。
【監督志向型】
- ジュビロ磐田
- ベガルタ仙台
監督の志向を反映してポゼッションスタイルを導入しているのが、ジュビロ磐田とベガルタ仙台です。ジュビロは現役時代からパスサッカーに親しんできたクラブのレジェンド名波監督が率いています。名波監督はリアリストな一面も持っており、カウンターを採用していた時期もありますが、今季は再度ポゼッション型に取り組んでいます。
ベガルタの渡邊監督は、就任6年で徐々にポゼッションサッカーを浸透させていきました。決して潤沢ではないクラブ予算の中で、与えられた持ち駒で攻撃的なスタイルを目指します。
ポゼッション型といってもカラーは多様
こうしてカテゴリー分けしてみると、Jリーグのポゼッションスタイルにもさまざまなカラーが存在していることが分かりますね。
既存のクラブから影響を受けてもの や、国籍にルーツを持つもの。 1人の指揮官から派生したものや、 監督の志向を色濃く反映したものなど多様性に富んでいます。
Jリーグクラブの試合を観戦する際は、ひと口にポゼッション型とくくらず、どこに戦術のルーツがあるのか辿っていみると、試合観戦の楽しみが増えてきます。このブログでも戦術の傾向やルーツは今後も取り上げていきたいので、楽しみにしていてください。
以上、フットボールベアーでした!