常勝・鹿島アントラーズから2019年にヴィッセル神戸へ加入した西大伍。
国内屈指の右SB(サイドバック)として、攻守両面で存在感を発揮するプレイヤーですが、特筆すべきはサッカーIQの高さ。
今回は、試合を読むことに長けたそのプレースタイルについて考察していきます。
【プレースタイル】攻撃の起点にもなれる国内屈指の右SB
西大伍は、卓越した戦術眼と高い攻撃性能をプレースタイルとする、国内屈指の右SBです。
SBながら攻撃の起点にもなれるなど、攻守両面で高い能力を有しています。
◆1987年8月28日生まれ(32歳)176cm・73キロ右利き◆
札幌ユースの生え抜きとして、コンサドーレでプロのキャリアをスタートした西は、当初から攻撃力の高さが注目されるプレーヤーでした。
その特徴を生かして、コンサドーレでも右SH(サイドハーフ)でプレー。
2009年にはSBにポジションを移すものの、シーズン41試合で7得点を奪うなど「攻撃型SB」として名を知られるようになります。
2010年にアルビレックス新潟でプレーすると、翌2011年には鹿島アントラーズに移籍。
前年に内田篤人が海外移籍したことで戦力ダウンが不安視されたポジションをしっかりと引き継ぎ、在籍8年の間に数々のタイトルを獲得しました。
鹿島加入後から、そのプレースタイルにやや変化が生まれ、攻撃力だけでなくポジショニングの良さを生かした守備でも安定感を発揮。
そのプレーぶりは識者からも高く評価されており、2017・18シーズンには2年連続でベスト11に。2019年には久々の日本代表復帰もはたすなど、まだまだ衰えは見えません。
サイドから攻撃を組み立てる“起点型SB”
西の特徴の1つとして、サイドから攻撃を組み立てる起点になれる点が挙げられます。
激しい上下動を繰り返すSBが多い日本人においてはやや異色ですが、偽SBに代表されるように現代サッカーにおいては存在価値の高いプレースタイルと言えます。
その能力の高さから、右SHはもちろん、試合展開によってはボランチとしてもプレー。左サイドのポジションも務めるなど、万能性の高さも強みの1つです。
ヴィッセルでは右サイドを主戦にプレーし、落ち着いたプレーぶりでチームに安心感を与えています。
ピッチに焦りが見られる試合展開でも、1人飄々(ひょうひょう)とプレーする姿はお馴染み。
2019年8月23日のサガン鳥栖戦では、J通算300試合出場を達成するなど、リーグを代表するプレイヤーと呼べるでしょう。
西のサッカーIQの高さが伺えるプレー
さて、西大伍の戦術眼や試合を読むプレーぶり、「サッカーIQが高い」と評する識者も多く見受けられます。
では、具体的にどのような点にサッカーIQの高さが伺えるのでしょうか?ここからは、プレーをいくつかピックアップして考察していきたいと思います。
1.プレースピードを意識したパス出し
西大伍が得点シーンに絡む場面でよく見られるのが、味方のプレースピードを意識したパス出しです。
例えば、こちらのサガン鳥栖戦でのゴールシーンでは、フェルマーレンのロングフィードをアウトサイドで落として山口の飛び出しを上手く生かしています。
こういったプレーは攻撃的なポジションでプレーしていた経験が垣間見える場面ですが、味方のスピードを落とすことなく最適な選択肢を導き出しているのは実におしゃれです。
また、反対に前線の攻め上がりが遅いと見るや、わざとドリブルのスピードを緩め味方の攻め上がりを待つプレーも西大伍の十八番です。あえて滞空時間の長いボールを蹴りチームの陣形や攻撃の枚数を整えるのも、特徴的なプレーの1つでしょう。
2.相手の逆を突くプレー
こちらの増山のゴールをアシストしたクロスでは、西が相手の逆を巧み突くプレーを見せています。
右サイドでボールを受けると、一度ボールを自身左側に置き間を置きます。すかさず右側に重心を置くと、マーカーの足が出る前にクロスを供給。このタイミングで蹴り込むことで、相手の守備をズラすことができます。
この動きでガンバのDF陣がラインを上げたことで、逆に増山と田中が飛び込むスペースが生まれている点も特筆点と呼べるでしょう。
3.柔軟なポジション取り
西のサッカーIQの高さを感じさせるのが、ポジショニングの上手さです。
とくにパスを引き出すプレーは秀逸で、うまくマークを外してフリーになりながら、味方のパスコースを生み出しています。
また、周囲の選手の状況を観察し、柔軟にポジションを入れ替えることができるのも西の強みでしょう。
ここ数試合でよく見られるのは、山口がサイドに飛び出し、西が中央に絞る動き。
山口だけの動きでは、イニエスタのパスコースは制限され、右サイドへの展開はロングパスのみで終わってしまいます。
しかし西が気を利かせて中央に絞ることで、イニエスタに選択肢を提供しています。
こういった柔軟なポジションチェンジをしながらも、危ない場面ではしっかり自陣を守れるのも、高い戦術眼とポジショニングの上手さがあってこそでしょう。
偽SBとしての起用も面白い
個人的に西大伍をよりヴィッセルで輝かせるアイデアの1つとして、偽SBでの起用が面白いと考えています。
柔軟にポジションを移動できる上、ボランチとしても機能できる足下の技術を持っている西は、欧州のトレンドの1つ偽SBとしても十分プレー可能でしょう。
もちろん、それにはチームとしての組織的な動きが必要不可欠となってきますが、バルサ化を目指すチームとしてはトライする価値があるのではないでしょうか。
先ほどの山口とのポジションチェンジでも見られたように、すでに個人戦術という意味では西は偽SBとしてプレーしています。
これをチームとして取り入れられれば、より質の高いビルドアップが可能となります。
酒井高徳の獲得の狙いも偽SBのあるのでは?
西から話が逸れてしまいますが、左SBとして獲得した酒井高徳も、欧州では度々ボランチとしてプレーしていました。
両サイドに中央でプレーできる人材が配置できるメリットは計り知れません。
彼の獲得は左サイドの強化という第一目標があったでしょうが、偽SBとしての起用法も獲得の狙いにあったのかもしれません。
まとめ
さて、今回はリーグ屈指の右SB、西大伍のプレースタイルについて考察してみました。
西のプレーを見ていると、サッカーの奥深さや面白さをあらためて発見することができます。
アシストやパス出しなど、注目される場面もそうですが、カウンターを遅らせるポジショニングや、時間をコントロールする判断力なども必見です。
ぜひ西選手のプレーを見るときは、ボールがない場面にも注目して観戦してみてくださいね!
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