日本屈指の“ダイナモ”として進化を続ける山口蛍のプレースタイルとは?

日本屈指の“ダイナモ”として進化を続ける山口蛍のプレースタイルとは?

2018年のオフに、同じ関西のセレッソ大阪からヴィッセル神戸へ電撃移籍を果たした山口蛍。

国内屈指の「ダイナモ」として守備面での貢献はもちろん、フィンク政権に移行後は持ち味の攻撃センスも存分に披露しています。

今回は、日本代表への復帰も期待される山口蛍選手のプレースタイルについて考察します。

【プレースタイル】中盤を制圧する豊富な運動力と攻撃センスが武器

山口蛍(やまぐちほたる)は、中盤の全域をカバーする運動量と、随所に輝きを放つ攻撃センスが武器の“ボックストゥボックス型”のプレイヤーです。

1990年10月6日生まれ(29歳)173㎝・72キロ 右利き

世代別代表として早くからその才能を期待されており、2009年にはセレッソ大阪ユースからトップチームへ昇格。

2011年にクラブでボランチとしてレギュラーポジションを掴むと、2012年のロンドン五輪、2014年のブラジルW杯の代表メンバーにも選出。2015年の冬にはドイツのハノーファーへ移籍を果たすなど、着実にキャリアを積み重ねていきます。

持ち味は、ピッチを縦横無尽に走り回る運動量

自陣で味方のピンチを防いだかと思うと、次の瞬間には敵陣の最前線に顔を出すなど中盤の“ダイナモ”として抜群の存在感を発揮。ボールを奪う場面では冷静なインターセプトを武器としており、ポジティブトランディションのスイッチ役を担います。

ドイツ移籍後はややパフォーマンスを落としていましたが、2016年にセレッソ大阪に復帰すると、翌17年にはベストイレブンに選出。2018年ロシアW杯でも日本代表メンバーとしてプレーし、国内屈指のボランチとしての地位を固めています。




ヴィッセル加入後は苦戦も、フィンク就任で“居場所”を見つける

2019年のヴィッセル神戸加入当初は、攻撃に比重を置くチームの中で1人中盤の守備に奔走。運動量とボール奪取能力の高さは披露するものの、チームの成績に結びつかず苦戦を強いられます。

転機となったのは、フィンク監督の就任。

選手の持ち味を最大限に活かす戦術を採用する監督は、山口をそれまでのボランチではなく一列前のインサイドハーフとして起用します。このポジションで際立ったのが、山口の攻撃センスです。

もともとはユース年代で攻撃的なポジションでプレーしていた山口ですが、近年は守備的な能力がフォーカスされる傾向にありました。しかし機を見た前線への飛び出しや、ロングレンジをピタリとあわせるフィード能力、ゴール前での冷静さなどは、攻撃的プレイヤーの「それ」。

23節の浦和戦、24節の鳥栖戦で連続ゴール(鳥栖戦は2得点)を決めるなど、それまでのうっ憤を晴らすかのように自分の“居場所”で溌剌とプレーしています。

守備での貢献度もより一層高まる

インサイドハーフ起用の効果はこれだけではありません。これまでボランチで起用される試合では、守備のリスクを考えて自分のポジションに留まってプレーする姿が見られました。

しかし、これでは山口本来の躍動感あるプレーを制限し、持ち味を失う結果となってしまいます。インサイドハーフでは、守備のリスクが比較的少ないため、ポジションに捉われないプレーが可能。これは、山口のリミッターを取り払うことに繋がります。

また、この位置からプレスバックしてボールを奪い去るシーンは、フィンク就任後に多く見られるプレーの1つです。相手を待ち構えて間合いを測りインターセプトを狙うのが山口の武器でしたが、この後ろから「掻っ攫う(かっさらう)」動きは山口のセンスが光る隠れた好プレーと言えるでしょう。

これからが山口蛍の第二の全盛期

シーズン後半のプレーを見ていると、山口蛍の特大のポテンシャルをあらためて認識させられます。

日本では攻守両面で存在感を発揮するプレイヤーはまだまだ少ないですが、山口はその分野において間違いなく日本人でもトップクラスのプレイヤーです。

やや遠ざかっている日本代表でも重要なタスクを担えることから、代表復帰への期待の声もおのずと高まっていくでしょう。

まさにこれからが山口蛍の第二の全盛期。ヴィッセルではもちろん、世界のピッチで躍動する山口選手の活躍に期待ですね!