新型コロナウイルス禍により、Jリーグはもちろん各国のリーグが休止や打ち切りに追い込まれています。
そんな中、今後リーグが再開した場合、過密日程により選手への負担増が懸念されていますが、FIFAではこれに対して交代枠を5人する対応を検討しているようです。
今回は、Jリーグも検討しているとされる、交代枠5人の議論について考察します。
FIFAが過密日程による負担軽減に交代枠5人を検討
⚽️再開に際し⚽️
FIFA、試合で最大5人の交代を認めるよう提案…過密日程による選手の負担を危惧https://t.co/1Va29wbzeI🗣️編集部より
「中断中の今シーズンを駆け足で終える案が浮上しており、その場合過密日程になることが予想されています」— サッカーキング (@SoccerKingJP) April 27, 2020
これは4月27日にFIFAの広報担当が明かしたとされるもので、現在新型コロナウイルス禍により中断しているリーグや大会が再開された場合、過密日程による選手への負担増加が懸念されています。
とくに今回の状況では、各国の選手たちは自宅でのトレーニングのみに制限されており、仮にリーグが再開されてとしてもコンディションは著しく低下しているでしょう。
そのような中でハードな日程をこなすとなれば、筋肉系のトラブルを中心に、多くの負傷者が続出することは想像に難しくありません。
FIFAではこうした状況を回避し、少しでも選手への負担を軽減させるための一時的な措置として、交代枠を現在の3枠から5枠に増加させる提案を検討しているようです。
Jリーグでも導入を検討。状況はJのほうが深刻?
Jリーグ「10月再開」も…
年をまたぎの2021年1月終了までも加えた幅広いプランの準備に入った。
また、一時的な措置として「交代3回最大5人」案を検討している。https://t.co/90G3uUfeX1— サッカーマニアBLOG⚽ (@soccermaniablog) April 28, 2020
この動きに対して、Jリーグでも交代枠5人を検討しているという報道が見受けられます。
個人的には、リーグのほぼすべてを消化していないJリーグの方が、過密日程の過酷さという意味では深刻な状況なのではと考えています。
欧州ではすでにシーズンの4分の3程度を消化し、ベルギーやリーグアンでは今季の打ち切りが発表されました。今後3大リーグがどのような判断を下すかは分かりませんが、仮に打ち切りとなっても8月スタートと考えれば日程的な猶予はあると言えるでしょう。
一方のJリーグはシーズン開幕直後の休止。リーグを再開するとしても、消化する試合数が多く過密日程は避けられません。
ルヴァン杯や天皇杯の短縮は発表されましたが、週2試合の開催も予想されるなど、選手への負担はかなり大きくなるでしょう。
交代枠5人という決定はFIFAの方針次第という状況もありますが、可能であればぜひとも採用して欲しいプランです。過密日程が引き金となって、選手生命を左右するような怪我を負ってしまうことだけは、サポーター心理としてもぜひとも避けてもらいたいと思っています。
成功事例となれば交代枠の継続的な増化への気運も
さて、交代枠を5人にするという案は、今回の緊急事態に限った一時的な措置として検討されています。
ただ、今回の5人制が成功を収め、一定の評価を得られれば、コロナウイルスの終息後も交代枠を増やそうという気運が高まることも予想されます。
欧州はもちろん、Jリーグでも過密日程は大きな課題で、選手への負担は年々増え続けている状況です。とくに、昨今のアスリート的な能力が求められる戦術トレンドは、こうした状況に拍車をかけ、選手寿命を縮めかねないリスクを抱えています。
今回の救済的な5人制を1つの検討材料として、例えば、従来の3人から4人への増やすといった流れも「あり」です。
まとめ
今回はFIFAが検討しているという交代枠5人制について考察してみました。
今回の交代枠の議論も、コロナウイルスの影響があったとはいえ、長年の課題であったスケジュールの過密性が大きな要因であることは間違いありません。
ただ、こうした混乱の中でスケジュールを変更するというのは、かなりリスキーと言えます。
まずは目の前の状況を解決する意味で、選手の交代枠5人案を採用するのが、ベストとは言えないもののベターな選択肢となるのではないでしょうか。