ACLの出場にあわせて注目を集めているのが、ヴッセルの外国人枠です。
2019年シーズンは8人の外国人選手を擁して戦いましたが、ACLではJリーグとのレギュレーションの違いも考慮して編成を進めなければなりません。
今回は、ACLとJリーグの外国人枠の違いや、2020年に向けてヴィッセルの外国人枠がどうなるのか考察していきます。
2020年のACLとJリーグの外国人枠は?
まずは、2020年のACL(アジアチャンピオンズリーグ)とJリーグの外国人枠につい見ていきましょう。
ACLとJリーグでは、外国人枠のレギュレーションに違いがあります。
ACLは3人+アジア枠1人。Jリーグは5人
ACLとJリーグの外国人枠はそれぞれ次のようになっています。
【ACL】:3人 + アジア枠1人
【Jリーグ】:5人(Jリーグ提携国は含まれない)
まず、ACLは外国人選手が3人、プラスしてAFCに所属するアジア選手が1人加えられるので、最大4人の外国人枠ということになります。
一方、Jリーグは2019年から外国人枠に変更があり、アジア枠を撤廃。そのかわり人数が1人追加され最大5人の外国人枠を使えるようました。
ちなみに、Jリーグ提携国は外国人枠に含まれません。
提携国はタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシアの各国で、この国の選手であれば日本人と同じ扱いで自由に出場することができます。
Jリーグと同じ人数の選手起用ができない
さて、この外国人枠の違いからも分かるように、JリーグとACLでは同じ人数の外国人選手を起用することができません。
ヴィッセルは2019年シーズン外国人枠5人をフルに活用してリーグを戦い抜きましたが、ACLでは起用する選手を再考する必要があります。
例えば、イニエスタ(スペイン)、フェルマーレン(ベルギー)、ダンクレー(ブラジル)、サンペール(スペイン)、ポドルスキ(ドイツ)はすべて外国人枠にカウントされるため、このうち2人はベンチ外ということになります。
残るオマリ(レバノン)はアジア枠にカウントされるため出場が可能ですが、上記の5人はリーグでも中核を担ってきた選手だけに、編成部は頭を悩ませるところでしょう。
ヴィッセル神戸2020年の外国人枠の現状は?
では、ここからは2020年の外国人枠についての現状をまとめておきましょう。
(情報は1月4日現在)
4名は残留がほぼ確定。ポドルスキとオマリは流動的
ビジャ選手 #ヴィッセル神戸 に来てくれてありがとう!プレーだけでなくその人柄、全てにおいてあなたはとても偉大でした👏
私たちはいつでも神戸で待っています!⚓Thank you for coming to Vissel, @Guaje7Villa!👏
You are welcome in Kobe anytime!⚓#GraciasVilla #visselkobe pic.twitter.com/GV6vdaUJ7C— ヴィッセル神戸 (@visselkobe) January 3, 2020
【契約満了のお知らせ】
FW ウェリントン選手と契約満了に伴い、来季の契約を更新しないことが決まりました。
詳細はこちら⇩https://t.co/ZJlPn2tEKi#visselkobe #ヴィッセル神戸 pic.twitter.com/jMPV85AJZO
— ヴィッセル神戸 (@visselkobe) December 6, 2019
まず、現在確定している情報としてはビジャが2019年限りで引退を表明。
ウェリントンも、12月6日に契約満了が発表されました。
ウェリントンはシーズン序盤から中盤にかけて貴重な得点源として活躍してくれましたが、シーズン後半は外国人枠や戦術との兼ね合いから出場機会が減少していました。
一部報道ではJリーグクラブへの移籍や、本人が希望しているというブラジルへの復帰も噂されています。
神戸 イニエスタら主力ほぼ残留 西の慰留最優先 FWドウグラス獲得へ大詰め/サッカー/デイリースポーツ online https://t.co/SxIvjYSUR5 #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) January 1, 2020
次に、ほぼ残留が確定しているのがイニエスタ、フェルマーレン、サンペール。
イニエスタとフェルマーレンは2年契約が残っており、サンペールは3年契約のためほぼ残留は決定とみていいでしょう。
ダンクレーに関しても、シーズンを通してスタメンでプレーしており、残留が基本路線となりそうです。
The year started well 🏆🤗 #2020 #finals #passion #LP10 pic.twitter.com/sYW6GrKOae
— Lukas-Podolski.com (@Podolski10) January 2, 2020
流動的なのが、ポドルスキとオマリ。
ポドルスキは契約更新に関して公にコメントもしており注目が集まっていますが、今のところ来季に向けてクラブからの公式なオファーはないと明言しています。
また、オマリは継続した出場機会がなく、本人がこの点をどう捉えているのかが焦点になりそう。
アジア枠という意味でACLに優先して起用できる点は魅力的です。クラブとしてはこの辺りを勘案して、契約更新を検討するでしょう。
最大の焦点はポドルスキの去就。懸念材料は3つ
さて、ヴィッセルサポにとって最大の焦点はポドルスキの去就でしょう。
天皇杯決勝でもハイパフォーマンスを披露しており、ピッチでのプレーぶりはワールドクラスの「それ」を維持しています。
三浦SDも天皇杯の会見でこれから話し合いを進めると語っており、交渉真っただ中といったところでしょうか。
契約交渉を行う上での懸念材料は3つ。
1.推定6億円の年俸交渉
2.ACLの外国人枠
3.夏の移籍市場の動向
1つは推定6億と言われる年俸。今シーズンのポドルスキは出場すれば圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれましたが、中耳炎の手術による長期離脱もあるなど年俸に見合う働きとは言えませんでした。この金額で両者がどれだけ歩み寄ることができるのかがポイントとなります。
2つ目はACLの外国人枠。仮に契約を更新した場合でも、ドイツ国籍のポドルスキはACLの「3人枠」に含まれるため、外国人枠を争うことになります。絶大な存在感があるプレイヤーだけに、起用法を巡ってチーム内に緊張感が高まることは避けなければなりません。
ただ、この点に関してはフィンクは高いマネージメント能力を披露してくれています。個人的にもビジャ、ウェリントンの両FWが抜けるという状況を加味すれば、残留オファーを提示する価値は十分にあると思っています。
3つ目が、夏の移籍市場での動向。個人的にはこれが最大のハードルと考えています。
ヴィッセルの外国人補強は、欧州のシーズンが終了する夏に動く傾向にあります。これは欧州のスケジュールに合わせるため仕方がないのですが、仮にポドルスキやイニエスタのようなビッグネームが獲得できるとなったときに、また外国人枠の問題が勃発することになります。
例えば、一部報道にあるダビド・シルバが獲得できるとなれば、バルサ化を目指すヴィッセルは間違いなく獲りに行くでしょう。こうなってくると、ポドルスキの起用法がまた不確定な状況となってしまいます。そうした曖昧な状況を、世界王者にまで輝いたトップアスリートがどう受け止めるか。
この辺りは非常にデリケートな問題です。
まとめ
今回は、ACLとJリーグの外国人枠と絡めて、ヴィッセル神戸の外国人選手の動向について考察してみました。
やはり気になるのはポルディの去就。個人的にもとても好きな選手ですし、サポーターからの人気も絶大なものがあります。
2020年も彼と共に戦いたいのが本音ですが、出場機会が保証されなければ移籍の可能性も否定できないでしょう。
いずれにしても、1月中には結論を出して、ACLへの体制を固めなければなりません。
また、移籍情報に変化があれば、ブログでアップしたいと思います!