リージョの契約解除で、ヴィッセル神戸のバルサ化はどうなるのか?

リージョの契約解除で、ヴィッセル神戸のバルサ化はどうなるのか?

ヴィッセル神戸から発表された、フアン・マヌエル・リージョ監督の契約解除。あまりに突然の契約解除のニュースに、サポーターはもちろん多くのサッカー関係者が衝撃を受けました。

ヴィッセルの「バルサ化」の象徴でもあったリージョの離脱は、今後クラブにどのような影響を与えるのでしょうか?

4月17日に突然発表されたリージョの契約解除

リージョの契約解除が発表されたのは4月17日の午前11時。クラブの公式リリースとして、次のような内容で発表されました。

リージョの契約解除に合わせて、腹心でもあったイニーゴ・ドミンゲスHC(ヘッドコーチ)と ホルヘ・ムニョス AC(アシスタントコーチ) の契約解除も発表。

今後は、吉田孝行監督をトップとした新体制でチームの再建を図ります。

契約解除の理由に成績不振があったことは間違いない

リージョはクラブの公式リリースで、契約の解除にあたって次のようなコメントを発表しました。


ヴィッセル神戸のスタッフ、選手、そして会長、社長、ファンの皆様ありがとうございました。神戸という街で暮らし、素晴らしい方達と仕事をし、かけがえのない経験ができました。人生では難しい決断をしないといけない事もあります。私と家族にとってはこうする事がベストだと思いました。ヴィッセル神戸は私の心の中に常にあり続けるでしょう。皆さん、今までのサポート、本当にありがとうございました。


ヴィッセル神戸公式HPよりhttps://www.vissel-kobe.co.jp/news/article/16042.html

コメントの中では、契約解除の詳しい理由については語られおらず、「 私と家族にとってはこうする事がベスト 」と家庭の事情があったように匂わせています。

しかし、契約解除の理由に成績不振があったことは間違いないでしょう。ここまでの成績は3勝1分2敗でリーグ10位。相次ぐビッグネームの加入や、シーズン開幕から指揮を執れるといった期待感からすると、物足りない成績ではあります。

とくに前節のサンフレッチェ広島の敗戦は、ホームでの逆転負けというインパクトの大きいものでした。

またも繰り返された「悪しき伝統」

サポーターとして長年クラブを見ていると、期待感の大きかった指揮官に結果が伴ず、あっさりと監督を交代するのはヴィッセルの「悪しき伝統」でもあります。西野監督やネルシーニョ監督も大きな期待を持ってクラブに迎えられましたが、成績不振が続くとすぐに契約解除となりました。

西野→安達→ネルシーニョ→吉田→リージョ→吉田と、ネームバリューのある監督とクラブOBが交互に指揮を執る流れも同じ。

クラブのサポーターとしては、もう少し我慢強く基盤を築いて欲しいものですが、この辺りはクラブ上層部の意向もあると邪推するしかありません…。

ヴィッセルのバルサ化の行方はどうなるのか?

こうなってしまうと気になるのが、ヴィッセル神戸が高々と掲げたバルサ化の行方です。

バルサ化の流れは「止められない」

結論から言うと、今後もヴィッセル神戸はバルセロナを目指したクラブ運営を継続していくでしょう。理由として、ここまでバルサ化の旗の元、莫大なコストを投入してきた点が挙げられます。

イニエスタやビジャといったビッグネームの加入だけでなく、育成組織の改革やクラブ設備への投資に加え、マーケティング面でも大々的に「バルサ」の看板を掲げています。これだけのビッグプロジェクトを指揮官の解任だけでとん挫させるのは、合理的な判断とは言えません。

つまり、ヴィッセルはバルサ化を継続するというよりも、「止められない」と表現することが正しいでしょう。

バルサ化を目指すならビラス・ボアスの就任はNG

巷の話題は早くも吉田新監督の後任に、ビッグネームが招聘されるとの報道も出ています。その中でもとくに名前が挙がるのがポルトガル人のビラス・ボアスです。

欧州サッカーに詳しい方なら、名前を知らない人はいない智将。ポルトでUEFAヨーロッパリーグを制すと、「モウリーニョの再来」としてプレミアリーグの強豪チェルシーの監督に就任。その後もトッテナムやゼニト(ロシア)の監督を務め、2017年までは中国の上海上港で指揮を執っていました。

しかし、青年監督して華々しいデビューを飾った当初に比べれば、近年の成績は芳しくありません。また、ビラス・ボアスが志向するのは、高いインテンシティを土台としたハイプレスな戦術です。バルセロナが目指すカラーとは対極にあり、むしろモウリーニョやクロップに近い指揮官と言えます。

ヴィッセルがバルサ化を押し進めるなら、ビラス・ボアスの就任は好ましくありません。ネームバリューは確かにありますが、代償はあまりに大きくなるでしょう。

まずは吉田体制でクラブの落ち着きを取り戻すことが先決

今のヴィッセルに必要なのは、新指揮官に就任した吉田監督をしっかりとサポートすること。幸い、OBとしてクラブ事情に精通しているおり、シーズン途中からの就任も経験しています。

また、クラブの強化担当を務める三浦淳寛SD(スポーツダイレクター)は、横浜フリューゲルス時代からの間柄とあって、気心も知れているでしょう。

まずは混乱した選手たちのメンタルをしっかりカバーし、クラブに落ち着きを取り戻すこと。バルサ化への道は、そこからです。

Graciasリージョ!またピッチの上で

残念ながら、稀代の戦術家として日本に招かれたリージョとヴィッセル神戸の「航海」はわずか一年足らずで終焉を迎えてしまいました。

しかし、リージョ多くの選手たちに遺産を残してくれたようです。契約解除が発表されたあと、SNSではリージョへの感謝の言葉を述べる選手たちが多く見られました

フットボールの世界では、戦術家が必ずしも結果を残せるとは限りません。しかし、結果を残せずとも自らの美学を曲げず、信念突き通す姿勢には、サポーターとしても尊敬と感謝の念しかありません。

Gracias(ありがとう)リージョ!!!

いつの日かヴィッセル神戸があなたの教えを礎にして、ピッチの上で再会できることを願っています。