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那須大亮が引退。原因となった脳が揺れる現象とは?

那須大亮が引退。原因となった脳が揺れる現象とは?

ヴィッセル神戸の那須大亮が、2019年12月16日に自身のYoutubeチャンネルにて現役引退を発表しました。

前日に「重大発表」があると予告しており覚悟はしていましたが、やはり寂しさが募ります。

今回は現役引退を決断した那須選手についてや、引退原因の1つと語った「脳が揺れる現象」についても考察します。




那須大亮とは?J1の舞台で活躍した守備のマルチロール

那須大亮と言えば、2002年の横浜Fマリノスでのデビュー以来、守備のマルチロールとして長らくJ1の舞台で活躍を続けたトッププレイヤーです。

2003年には当時の岡田監督に抜擢される形でマリノスのレギュラーに定着すると、その年の新人王を獲得。J1のタイトル獲得に大きく貢献しました。

2004年にはアテネ五輪代表のメンバーに選出され、キャプテンとしてプレー。

その後も東京ヴェルディ、ジュビロ磐田、柏レイソルでプレーし、2013年からは浦和レッズに加入するとリーグベストイレブンを獲得。

2018年からはヴィッセル神戸に移籍し、貴重なバックアップメンバーとしてはもちろん、チームの精神的支柱としてベテランらしい役回りを見事に務めてくれました。

2019年シーズン序盤には、苦戦が続くチームに対して周囲から厳しい声が飛ぶ中、自らゴール裏に赴くとサポーターに直接メッセージを送るシーンも。

自身は少ない出場機会しかない状態にも関わらず、クラブ、サポーター、チームメイトを想う熱い気持ちに、多くの方が勇気づけられたことでしょう。

2019年シーズン限りでの現役引退をYoutubeにて発表

近年は現役プロサッカー選手としてだけでなく、自身のYoutubeチャンネルでも精力的に活動。

現役選手ならではの魅力的なコンテンツやスキル講座、長い現役生活で培ってきた人脈を生かした対談動画などで多くの視聴者を喜ばせていました。

そんなYoutubeチャンネルで、「重大発表」があると予告したのが2019年12月15日。

2019年はリーグ戦での出場機会がなくカップ戦での出場のみとあって、サポーターの間では内心覚悟を決めていた人も多かったようです(フットボールベア-も正直覚悟していました…)。

そして、12月16日の午前11時には上記の動画を更新し、今シーズン限りでの現役引退を発表しました。

じっくりと噛みしめるように、所属した1クラブ1クラブにコメントを発する姿は、那須選手の優しさと実直な人柄が溢れていたように感じます。

現役引退の原因と語った「脳が揺れる」現象を考察

さて、引退の発表と合わせて話題となったのが、那須選手が引退の原因の1つと語った「脳が揺れる」現象です。

ここからは、この現象について個人的な考察をご紹介します。

数年前ヘディングをした時に脳が揺れる

那須選手がこの現象に悩み始めたのが、数年前の練習中。

ヘディングをした際に、脳が揺れるような感覚に襲われたと言います。今季もこの現象が現れ、全力でゲームやトレーニングに取り組めない状況に歯がゆさと葛藤を覚えていたそうです。

さて、この脳が揺れるという表現を聞いてまっ先に思い浮かべたのが、CTE(慢性外傷性脳症)のことでした。

ウィル・スミス主演の映画「コンカッション」で、この症状を知っている方も多いのではないでしょうか。

コンカッションはアメリカのNFLで実際に起こった実話を元にした映画で、スポーツ時激しい頭部への衝撃が繰り返されることで、脳に深刻な障害を及ぼすという論文が発表されたストーリーを映画化しています。

この症状を発見したベネット・オマル医師(映画でウィル・スミスが務めた役柄)は、この障害をCTE(慢性外傷性脳症)と名付け、アメフトはもちろん脳への衝撃が繰り返し考えられるスポーツに対して、障害への対策を急ぐよう警鐘を鳴らしました。

詳しい内容に興味のある方は、ぜひコンカッションをご覧になってください。

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サッカーのヘディングに対しても警鐘を鳴らす

オマル医師は2018年、イギリスBBCにて「18歳以下の少年少女のヘディングを禁止すべきだ」と述べています(>ニュース記事はこちら)。

サッカーのヘディングでも、CTEの障害を発症するリスクは高く、とくにダメージが大きい若年層では思い切った対策を講じるべきだと主張しています。

もちろん、今回の那須選手の症状がCTEであるという事実はありません。これは、あくまでも私個人の推測である点はご理解ください。

ただ、こうした脳震盪をはじめとしたスポーツ障害に対しての認知度はまだまだ低く、那須選手の症状がこれに含まれる可能性も否定できません。

いずれにしても、脳という非常に重要な器官に影響が出ているという点では、現役引退という決断を思いとどまらせることはできないでしょう。

那須とトモニ天皇杯のタイトルを!

さて、動画の中でも語っていましたが、ヴィッセル神戸にはまだ天皇杯のタイトルを獲得するチャンスが残っています。

クラブ、選手、サポーターの思いはもちろん、那須とトモニ天皇杯のタイトルを獲ること

そのためにも、まずは今週末のベスト4の、清水エスパルス戦に是が非でも勝たなければなりません。同じく現役引退を発表しているビジャと那須が、天皇杯を掲げる姿を見たい!!!

那須さん!

「お疲れ様」の声は、元旦までお預けですよ!!!(笑)

ヴィッセルサポのみなさん、トモニ天皇杯への階段を駆け上がりましょう!




ABOUT ME
フットボールベア―
1987年生まれのクマみたいに大きい人。 日韓W杯に魅了されサッカーにどっぷりとハマる。学生時代を神戸で過ごしたことから、ヴィッセル神戸サポに。 2016年からはライターとして活動し、おもにEC系メディアを取り扱う。かねてからサッカー情報を発信したいと考えており、このサイトを立ち上げる。